世界首脳、会議より先に集合写真アプリで和解へ—“フィルター外交”が台頭
「世界の課題はピースサインで解決できるのか」。各国首脳が集まった年次サミットは、議題の前に集合写真アプリのフィルター選びで2時間を費やし、史上初の“盛れ合意”に到達した。関係者によれば、顔色補正をめぐる対立は一時緊張したが、逆光を味方にする新機能が橋渡しとなり、参加国は「影を分かち合う精神」を共同声明に盛り込んだという。
経済セッションでは、インフレ対策として通貨のデザインを“より重そう”に見せる案が浮上。「財布がずっしり感じれば出費は減る」との主張に、各国中央銀行は「心理的金融緩和の逆張り」と評価。気候変動では、会場の空調を28度に設定する実験が行われ、15分で合意文書が短くまとまる副次効果が観測された。
一方、宇宙協力は月面でのリモート会議導入で合意。回線遅延により発言が自然に被らない利点が買われた。記者会見では質問がメタバースに迷い込み、回答は翌日の時差で届く見通し。結びに議長は「世界は複雑だが、角度を変えればだいたい盛れる」と述べ、次回サミットはパノラマ対応の山頂で開催予定となった。
