動かない快速、満員御礼。廃線テーマパーク「停車場ランド」開業
地方私鉄の廃線跡をそのまま活用した体験型施設「停車場ランド」が開業初日、まさかの“動かない快速”に乗客が殺到した。車両は昭和の国鉄型を徹底再現、エンジン音は流れるが走行は一切しない。代わりに、車内アナウンスと揺れだけがリアルに再現され、乗客は「心だけが先行する加速感」を味わえるという。
運営側は「燃料代がかからないため切符は時刻表価格で据え置き」と胸を張る。発車ベルは1時間に1回、あえて微妙に遅れる設計で、地元の高齢者が「このイラつきが青春」と涙した。ホームの売店では、動かないのに駅弁が売り切れ、「進まぬ鮭弁」が一番人気。
目玉は“徐行アトラクション”。車掌が「まもなく通過いたしません」と宣言し、乗客が一斉に頷く静寂が売りだ。線路脇の昭和看板群はフォトスポット化、パトライトが回っているのに誰も来ない詰所も見学可能だ。
初日の遅延はゼロだったが、帰路の“乗り換えないのに乗り換え案内”で混乱が発生。館長は「止まる勇気が日本を動かす」と語り、次回イベント「終点、ですが続きます」開催を予告した。
