各国、ついに「先延ばし協定」調印 締切は無期限に延期(予定)

世界首脳が集まる年次サミットで、歴史的な合意が成立した。名付けて「先延ばし協定」。地球規模の課題に対し、今後は計画的かつ文明的に先延ばししていくことで一致したという。会見では「やる気は前向きに保留」「行動は前向きに仮置き」という新しい外交用語が披露され、各国メディアの原稿締切も同時に延期された。

協定の柱は三つ。「検討する委員会の設置を検討する」「ロードマップの地図をまず印刷する」「締切にはスヌーズ機能を実装する」。特に最後は技術革新で、国際時計に最大9回のスヌーズが標準搭載される見込みだ。

一方、気候に関する章では「今世紀中の気温上昇を、気分的には抑制」との表現に落ち着いた。海面上昇については「たまに下がる日もある」と前向きに捉える姿勢が評価され、沿岸国が拍手。内陸国は「海が来たら港が持てる」と前向きに誤解した。

経済章では、物価上昇に対抗するため「値札に思い出割」を導入。昔の値段を眺めて心を落ち着ける仕組みだ。労働市場については「在宅勤務中の冷蔵庫への出社」を勤務実績として認定する方向で一致した。

サイバー安全保障では、世界共通パスワード「password2025!」の導入が議論されたが、直前で誰かがWi-Fiを切って合意が消えた。代替案として、全会議をメッセージアプリの既読で採決する方式が採択され、誰も既読を付けないため議案は平和に保留された。

最後に議長が総括。「我々は一致団結して、次回会合で本腰を入れることをここに約束する(予定)。」会場はスタンディング拍手…のつもりで、立ち上がることを先延ばしにした。各国代表は前向きに解散、次回の議題は「議題を決める方法を決める方法」とのことだ。