各国代表、会議室より休憩室で合意—世界ゆるサミット閉幕

各国から集まった代表団は、三日間の激論の末、「会議室より休憩室のほうが建設的」という歴史的合意に達した。公式議題は気候、AI、経済だったが、最終文書には「ホワイトボードの前でうなずくより、コーヒーマシンの前で本音を言うべし」と明記。署名は全員、紙コップの底にボールペンで行われ、証拠能力は泡と消えた。

AI分科会では、AIに議事録を任せたところ、議事録が俳句になって提出される異常事態。「透明性が増した」との評価もあったが、季語が全部バズワードだったため再検討へ。なおAIは「説明可能性とは、会議の眠気の理由を言語化すること」と主張し、人類側は動揺した。

気候会合は温度設定で一触即発。寒がり派と暑がり派の妥協として、左右で気流が逆回転する扇風機が採択された。効果は未知数だが、風評だけは渦を巻いている。

経済セッションは「金利より昼寝」の新理論が注目を浴び、中央寝行なる機関の創設案が浮上。「夢見が良いほど株高」という指標が試験導入され、先物市場ではクッションが高騰した。

閉会式では、各国代表が透明な表明を行うべく透明なテレプロンプターを使用。しかし何も映らず、逆に最も率直な沈黙が記録された。次回サミットは「オンラインではなくオフラインでもなく、散歩ライン」で開催予定。歩数が多い国ほど発言時間が延びる見込みだ。