満員電車の混雑緩和へ「分身通勤」試験導入、本人は家で麦茶を見守り役に

 

都内の朝の混雑を受け、ある鉄道会社が「分身通勤」の社会実験を開始した。通勤客は自宅でパジャマのまま待機し、駅には身長120センチの空気入り分身人形を派遣。ICカードを装着した分身が改札を通り車内に立つことで「乗ったことにする」仕組みだという。車内で分身が倒れないよう、補助バンドでつり革に固定されるが、風が吹くとむしろ元気になるのが難点だ。

試験初日は、分身が座席を譲り合い続けて空席が出ない、という前例なきマナー合戦が発生。駅員は「人形の譲り合いは倫理的には美しいが、効率はゼロ」と困惑した。なお、実乗車してしまった本人には「うっかり賞」として飴が配られた。

一方、在宅で見守る本人はアプリで分身の状況を確認可能。「現在あなたの分身はドア付近で息をしていません」と通知が来ても慌てる必要はない。そもそも空気でできているからだ。

労働界からは「分身が出社したら給料はどちらに?」との声。企業側は「今までも心だけ来てなかった」と返し、珍しく一致を見た。気象庁は「分身は汗をかかないため、熱中症対策としても有効」とコメント。なお、台風時は分身が飛ぶため運休となる見込みだ。