第三セクター鉄道が「昭和回帰急行」運行へ 車内放送はカセット、切符は味噌の香り
沿線人口より駅名標の数が多いと噂の第三セクター・鰯谷軽便鉄道が、今月末から季節列車「昭和回帰急行」を運行すると発表した。車内放送はカセットテープ再生式で、発車前に「巻き戻し音」が必ず鳴る。乗務員は「そこが一番盛り上がる」と胸を張る。
切符は硬券で、地元味噌蔵監修の“味噌インク”を採用。改札で鋏を入れるとふわりと香り、乗客の空腹を刺激する狙いだ。駅長の発車合図は白手袋ではなくハンドベル。誤って結婚式用の音色に切り替わると、列車は祝砲代わりに空笛を三発鳴らす規定も盛り込まれた。
沿線の珍スポットとも連携。巨大招き猫像が立つ無人駅「福招前」では、停車中に猫の右手が謎のタイミングで上下するため、乗客が「発車合図と連動しているのでは」と詮索。広報は「猫は自立分散制御」と意味深に答えた。
車内販売は紙パック牛乳、瓶ラムネ、乾パンの三本柱。栓抜きが見当たらない場合は車掌の笛で代用できるという。ヘッドマーク「昭和回帰」は毎便微妙にフォントが違い、コレクター殺しの仕様。広報は「誤植ではなく味」と断言した。
運転は土曜の薄暮限定。理由は「車体の塗装が夕焼けで一番イキるから」。なお、遅延時のアナウンスは全て口上調の七五調。鉄道ファンはもちろん、俳句界からも注目が集まっている。
