遅延は愛だ!霧ヶ丘電鉄「遅延ポイント」導入で沿線がまさかの活況

 

霧ヶ丘電鉄は本日、列車の遅延に応じて貯まる地域通貨「チエン」の導入を発表した。遅れ1分につき1チエン、商店街のコロッケから昭和カラオケのワンドリンクまで交換可能という、時刻表に背徳を与える新制度だ。沿線の老舗「純喫茶・平常運転」店主は「3分遅れてブレンドが無料。客の顔が明るい」と、なぜか晴れやか。

導入初日、ホームでは「遅延ストレッチ講座」が開講。発車間際に前屈する乗客に駅員が「無理のない範囲で!」と笛を鳴らす。遅延を短縮した運転士には逆に「定刻割」で商店街の値引きが適用されるため、現場はポイント経済の板挟み。構内掲示板は株価風に「本日遅延指数+8.4」。投資家のように腕を組む鉄道ファンの姿も。

さらに、昭和遺構の高架下を巡る「遅れてごめんネ観光」ツアーが誕生。車掌の早口アナウンス講座、空白の3分を愛でる「間(ま)のミュージアム」も出現し、珍スポット界隈がざわつく。社長は会見で「遅れを価値に変えるのがローカル私鉄の生存戦略」と述べ、最後に予定より5分早く退席。記者席から「それはチエンつかないの?」と質問が飛び、会場は定刻通りに笑った。