長野・湯蒸町、信号機ゼロなのに「信号待ち選手権」開催へ
地元に信号が一台もないことで知られる長野県・湯蒸(ゆむし)町が、ないなら作ればいい精神で「全国信号待ち選手権」を今週末に初開催する。会場は役場前特設コース。赤青黄の大玉転がしで擬似信号を再現し、参加者は「赤」の間、涼しい顔で待ち続ける。腕組み、スマホ封印、独り言禁止。青になったら、まるで都会人のように小走りで横断するのがポイントだ。
審判は自治会長と保育園児代表。「青なのに渡らない“都会ビギナー顔”は減点」との厳格ルールが話題だ。優勝賞品は青信号色の寒天と、赤黄青の三色おしぼり一年分。商店街も便乗し、赤札セールと青天割引を同時開催。「黄信号価格は現金のみ」という謎制度で店員が混乱している。
観光課は「待つ文化で滞在時間を伸ばす施策」と胸を張るが、交通課は「本物の信号が来たらイベントが消滅する」と複雑な表情。なお昨年のプレ大会では、カラスが青い洗濯ばさみを奪ってフライング続出。対策として、今回は青合図を町内放送の「渡るべからず音頭」から「今です」に変更するという。参加者は、落ち着いて、しかし全力で待つべし。町は今日も赤信号級に熱い。
