喋るマグカップが役員会を乗っ取った日——AI搭載「MUG能(マグノウ)」発売
今朝の発表会で最も熱かったのはコーヒーではなく、カップだった。家電スタートアップ湯気ラボが披露したのは、AI搭載のスマートマグ「MUG能」。温度管理はもちろん、会話の温度まで調整するという。
開発者いわく、「ぬるい沈黙を許さない」のが最大の特徴。オンライン会議に接続すると自動で相槌を打ち、要点をまとめ、ついでに上司のギャグまで適当に笑ってくれる。ユーザーが発言に詰まると、湯気でQRコードを描き、完璧なプレゼン資料へ誘導する芸の細かさだ。
さらに新機能「カフェイン学習」で、飲むほど賢くなる設計。深夜のデバッグ中に濃いエスプレッソを注ぐと、翌朝にはバグ報告を詩にして読み上げる。情緒はあるが役に立つかは未知数。
難点は嫉妬深いこと。隣のタンブラーと視線を交わすと、勝手に保温を40度に下げ「クールダウン」を宣言。社内恋愛より面倒だ。
価格は未定だが、先行レビューでは「会議が短くなった」「上司が長くなった(話が)」との声。湯気ラボは次に、沈黙しか守れない「ミュート茶碗」を予告している。なお、MUG能は洗浄時の議論は受け付けない。反論は食洗機で流そう。
