終電後に動く「夜行回送喫茶」開店、駅構内で謎の車掌ブレンドが大反響

 

深夜の高架下でコーヒーの香りがする——そんな都市伝説が、昨夜ついに現実になった。地方私鉄・鹿路線は終電後の回送列車を丸ごと喫茶店に改造し、走行しながら営業する「夜行回送喫茶」を試験運行。乗客はゼロ、客は乗務員扱い、停車は信号待ちのみという、法令の狭間を縫う奇策である。

メニューは「車掌ブレンド」「保線マンデリン」「ATCデカフェ」など業界人しか笑えないラインナップ。砂糖は駅の売店で余ったスティック砂糖を再活用、ミルクは車庫の冷蔵庫から自走供給。注文は吊り革に付いた呼び鈴で行い、返答は車内放送。「車掌ブレンド一杯、ただいま列番未定にて参ります」。カップの底には謎の検札スタンプが押され、集めると「非常停止ボタン型クッキー」がもらえる。

乗客第一号を自称する鉄道マニアは「発車ベルに合わせて心拍が上がる。カフェインと制動音のハーモニー」と絶賛。沿線の住民は「夜中に『コーヒーの香りが通過』していく」と困惑気味だが、自治体は「香りの通過は騒音規制に含まれない」と静観している。

問題は停車中の揺れでラテアートが毎回カエルになること。「踏切の振動に負けないラテ」を目指し、開発中の新メニューは「フランジノイズ・マキアート」。試験運行は今週末、車庫発車23時59分。切符は不要、代わりに眠気。飲み過ぎても終点は始発前、確実に朝に着く。